アフターサービスのアウトソーシングについて

アフターサービスのアウトソーシングについて

2021.2.26

戦略としてのアフターサービスとは

まずは、1つ前の記事「戦略としてのアフターサービス充実」でも触れました、住宅事業者様の成長戦略としてのアフターサービスについて簡単に振り返りたいと思います。

野村総合研究所の最新の予測では2040年度の新設住宅着工戸数は41万戸に減少、2020年度は新型コロナウイルスの影響でリーマンショック時を下回る73万戸の見込み、という発表がなされており、もはや新築住宅市場の縮小トレンドは避けられないものとなっております。
出典:株式会社野村総合研究所 2020/6/9 ニュースリリース

このような環境においては、「新築マーケット」だけではなく、「OB顧客マーケット」に目を向けたストック型ビジネスの育成こそが住宅事業者がとるべき重要な戦略となります。そして、最も有効な手段がアフターサービスの拡充であると私達は考えています。しかしアフターサービスの拡充といっても何から手を付けたら良いのでしょうか。アフターサービスを充実させるための課題はどこにあり、解決に向けては何が必要なのか、そういった議論から始める必要があります。

アフターサービス充実の課題

「今後のストック型ビジネスへの展開も踏まえて、アフターサービスの充実が大切なのは分かるが、多くの課題がある」、そうお考えの方も多いのではないでしょうか。まさにそのようなお悩みを住宅事業者様からご相談いただく中で、最も多い3つの課題について詳しく見ていきたいと思います。

まず1つ目は、「高水準のアフターサービスについてノウハウが蓄積されていない」という課題です。受付体制はどうするか、定期点検の時期と回数・内容をどう変更するか、夜間の緊急トラブル時の対応方針をどうするか、そもそもどこまでを新たなアフターサービスと定義するかなど、いざアフターサービスの拡充を始めようと思っても、「何からどうやって始めたらいいのかわからない」というご担当者様が多いようです。

2つ目は、「アフターサービスを担当する人員の確保が難しい」という課題です。アフターサービスを充実させるためには、お客様からのお問い合わせを受け付けるスタッフ、実際にお客様を訪問し、補修等の作業を実施するスタッフ、そして進捗を管理するスタッフなど、多くの人員が必要となります。ただでさえ人員の採用が難しいコロナ渦において、直接的な売上に繋がりづらいアフターサービス部門の人員を増員することは、かなりハードルの高いことかと思われます。しかも、OB顧客が増えれば増えるほど対応範囲は広がり、比例して業務量も増大します。また、アフターサービスはその性質上、1件1件直接訪問しなくてはならないケースが多いなど、労働集約的な側面も強く、業務量の増加は増員でしか対応ができないというジレンマに陥ることが多いようです。

そして、3つ目が、「アフターサービスに不可欠な顧客管理システムが整備されていない」という課題です。俗にいう、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)を指す内容ですが、アフターサービスを充実させるためにはアフターサービスの対象となる物件情報、お客様情報はもちろんのこと、定期点検時期などの基本情報だけでなく、修理履歴や定期点検結果など、各種履歴についても管理していく必要があります。この管理は紙やエクセルではなく、システムで行うことが重要です。事業拡大を踏まえれば、何千何万という情報管理を紙やエクセルで行うことは、対応漏れなどのクレームや、入力誤りといったリスクの原因となります。しかし、この顧客管理システムについてまだ整備が不十分な住宅事業者様が多いこともまた事実のようです。

ここまでの内容に思い当たる部分はありましたでしょうか。これらの課題を踏まえ、その全てを「一気に」解決する方法として、本稿のテーマでもある「アフターサービスの外注化」に話を進めます。

アフターサービスの外注は一括で行うが吉

ここまでお読みいただいて、「自社はもうすでに複数のサービスを外注しているから大丈夫」という住宅事業者様もおられるかと思います。しかし、今回最もお伝えしたいメッセージは「アフターサービスの外注先は複数ではなく、一括とするが吉!」です。

まず、アフターサービスについて、複数の外注先を利用するケースを想定してみます。コールセンターはA社、定期点検はB社、補修・リペアはC社にそれぞれ外注し、顧客管理システムはX社のシステムを利用するものとします。この場合、まず外注先への指示や情報連携、そして代金支払などはそれぞれの会社に対して行う必要性が発生します。つまり、住宅事業者様自身が外注先に関する管理業務を複数社分行う必要が生じます。通常の企業では外部委託を行う際は委託開始時の決裁はもちろん、外部委託先に関する定期的な社内報告や支払い手続きが必要な場合が多く、外部委託先が増えれば増えるほど、その手間は大きくなっていきます。

また、情報管理の面でもロスが生じます。各外注先で発生する、進捗・完了・クレームなどの情報について、一度住宅事業者様にて吸い上げた後に、住宅事業者様自身でシステム入力するといった手間が発生します。外注先に、住宅事業者様の顧客管理システムに直接入力させるということも考えられますが、全ての委託先が応じてくれるとは限りません。

これでは、「外注」といっても「ただ人手を借りているだけ」という状態になってしまい、外注の本当の効用を十分に得ることができないということがご理解いただけると思います。

一方、アフターサービスの外注先を一本化できた場合を見てみましょう。外注先が1つになるため、先ほど申し上げたような契約や支払といった事務の手間が大幅に削減されます。また、情報管理の面でも、アフターサービスに関する全ての情報がシステムも含め、1つの外注先に自動的に集約されていれば、住宅事業者様は、日々アップデートされる顧客管理システムを閲覧しているだけでよくなるのです。

クレーム発生時など住宅事業者様での対応が必要なケースを事前に取り決めておけば、そのような事態が発生した場合でも、外注先からルールに則った報告行われ、適切な対応を取ることが可能となります。

外注先選定のポイント

ここまでアフターサービス拡充の課題やアウトソーシング(外注化)について記載してまいりました。住宅事業者様の課題をともに分析し、事業成長に向けた取り組みを主体的に提案してくれる戦略的パートナーを探し、その事業者に“一括して”外注することこそ、アフターサービス拡充を成功させる秘訣であると考えます。

アフターコロナを見据えた長期成長戦略として、今一度アフターサービスを見直されてはいかがでしょうか。

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