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戦略としてのアフターサービス充実

新築住宅マーケットの環境変化

「2040年度の新設住宅着工戸数は49万戸に減少」 2022年6月に野村総合研究所からこんなニュースリリースが発表されました。

同社の予測では、「新設住宅着工戸数は、2021年度の87万戸から、2030年度には70万戸、2040年度には49万戸と減少していく見込み」とされ、今後約20年間で現在の3分の2の水準まで落ち込むという内容です。

実は2017年6月に発表された同社の予想では、「2030年度には55万戸となる」とされており、予想に改善の兆しはみられるものの、新築住宅マーケットの縮小という大きなトレンド自体はもはや止めることのできないものとなっています。

出典:株式会社野村総合研究所 2022/6/9 ニュースリリース

当然といえば当然の話ですが、こういった市場縮小トレンドの中、住宅事業者様にとっては、マーケットシェアもしくは販売価格に変革を起こせなければ、売上は市場と同様の縮小トレンドを辿っていくこととなるでしょう。

当社にお声がけいただく企業様は、そういった危機感の中で「何か手を打たなければ」という想いをもっていらっしゃるケースがほとんどです。

両利きの対策が必要に

このような先行きが見込まれる中、住宅事業者様はこれまでのように「新築マーケット」だけではなく、「OB顧客マーケット」にも目を向けて、まさに「両利き」で対策を検討・実行し、これまでのフロー型ビジネスに加えて、ストック型ビジネスにも積極的に取り組んでいく必要があると我々は考えています。

新築マーケット対策の考え方は至ってシンプルで、自社住宅の市場競争力を高めることで、販売シェア、販売単価を高めていく、ということに尽きるかと思います。いかに販売上有利になる武器を備えられるか、という点においては、仕入れ・工法・デザイン・品質・ブランディングなど様々な側面があり、自社努力のほか、フランチャイズに加盟することで、それらの優位性を得るという方法も考えられます。

一方、OB顧客マーケット対策の考え方は、新築マーケット対策とは一線を画します。

まず、新築販売のようなフロー型ビジネスに対する対策ではないので、効果はすぐには表れません。OB顧客マーケットでのストック型ビジネスを実現するにあたり、いかに顧客接点を開発・維持・管理するか、が対策のカギとなります。

この対策に即効性はありませんが、仕組みを構築した企業だけがストック型ビジネスのメリットである長期・安定的な収益を実現することが可能です。代表的な打ち手としてオーナー組織の設立などが挙げられますが、ノウハウのない中では、絵に描いた餅となってしまっているという声もよく耳にします。

戦略としてのアフターサービス充実に脚光が

昨今、この両利きの対策を同時に実現できる戦略として、「アフターサービスの充実」が住宅事業者様に注目され、重要視されるようになりました。アフターサービスの充実がもたらす効用は以下の通りまとめることができます。

1点目は「住宅販売時の顧客への訴求力強化」です。当社にて2017年8月に実施した「今後5年以内に新築一戸建ての購入予定がある」または「直近5年以内に新築一戸建てを購入した」30~59歳の男女500名を対象にしたアンケート調査でも、82%もの方が、「戸建住宅の購入時にアフターサービスを重視する」と回答し、そのうち「多少高くても、アフターサービスの充実した住宅事業者を選びたい・選んだ」と回答した方は41%にも上り、今やアフターサービスは、住宅事業者選びの最重視ポイントの1つとなっていると言えます。

2点目は「OB顧客との接点継続」です。これまでの一般的なアフターサービスだと引渡し後2年程度「縁切れ」していたものが、アフターサービスの充実により、実際に大規模修繕工事やリフォーム工事が発生するタイミング(築10~15年)までOB顧客との接点維持が可能となります。加えて、「建物、設備共に長期保証してくれた」、「定期的に点検してくれた」、「引渡し後も無料で補修やリペアをしてくれた」などこういった1つ1つの蓄積によって、大規模修繕・リフォーム工事の受注率向上も期待ができます。

そして、3点目として挙げられるのが「顧客紹介の促進」です。充実したアフターサービスに満足したOB顧客が有力な見込客を紹介してくれることで、先に述べた「新築マーケット対策」にも繋がっていきます。これこそが、両利きで対策を行うことの大きな相乗効果であると言えます。

では、どのようにアフターサービスを充実させるか

アフターサービスと一口に言っても、長期保証制度・受付コールセンター・定期点検・会員制度などその領域は多岐に亘ります。何をどこまで充実させたらいいのか、どこから手を付けたら、と頭を抱えるご担当者様もおられるのではないでしょうか。

そういった際には、アウトソーシングを検討されるのも有効な手段であると考えます。但し、安易に複数の外注先の利用を始めることは非常に危険です。まずは、アフターサービスを充実させる最大の目的は何なのか、そのためには何が必要なのか、そういった議論を通じて、制度設計を行うことができるパートナーの存在が重要となってきます。

次回は、アフターサービスの充実にあたっての課題を踏まえ、どういった観点でアウトソーシング先を選定するべきか、についてお話させていただきます。

次回「アフターサービスのアウトソーシングについて」はこちら

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